たからもの

この7年間、いろんなことがありました。
たくさんの人に助けていただき、また迷惑もかけ、さまざまな岡本珍事件を起こしながら過ごした思い出の町ウィーンでの生活をあとちょうど1ヶ月で終えます。みなさま、本当にありがとうございました。
とある宝物について少し。
ウィーン生活2年目からずーっと一緒に町を駆け抜けてきた自転車。通学電車賃を浮かせたいといういかにもドケチな考えで解決策を探していた頃、大学の先輩が「日本に帰るから自転車あげるよ」と言ってくださったのが出会い。先輩も認めてたけどごく普通の少年用の安いマウンテンバイク。うれしくてどこに行くにもコロコロと転がしていた自転車。
銀色と紫のペイントが誰の目にもまぶしすぎたので塗料を剥いでベージュ色に塗装したり、ブレーキゴムが摩耗しすぎてブレーキが効かずにドナウ運河に鳥人間コンテストしそうになったり、雨の日にはどうゆっくり走ったって背負ってたギターケースが望まずとも迷彩柄みたいな泥だらけになるので一番安い泥除けをつけてあげたり、大事な日にタイヤにネジがぶっ刺さってパンクしてまるで使い物にならなかったり。レッスンでヘコんだ帰りはゆっくり回り道しながら走ったり。
今思うと良い時も悪い時もずっと一緒でした。少し目立つベージュなので街中で停まってるのを見かけたら「岡チャリ発見したよ」てよく言われました。岡チャリってなんだしって思いながら気づいたら自分でも岡チャリと呼んでました。
岡本の宝物、岡チャリはあと1ヶ月で後輩のウィリアム君に引き取られウィリチャリとなります。ウィーンにいる人、ウィーンに行く人、街中でなんとも言えないちょっと不恰好で渋いベージュの自転車が停まっていたら、ウィリアムに電話してあげてください。「ウィリチャリ発見したよ」って。
ありがとう岡チャリ!感謝しきれない。

夏、ほおづきの下で雨宿りした時の一枚。

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